相続対策・老い支度に際しての家族会議の重要性

相続対策・老い支度に際しての家族会議の重要性

『争族対策』『相続税対策』については、税理士や弁護士・司法書士・行政書士等の法律専門職、
あるいは信託銀行等に相談される方は多いです。

また、昨今流行の“老い支度”や“終活”についても、前述の法律専門職や介護事業者、
葬儀社、 社会福祉士、市役所の高齢者福祉課等に相談される方も多いです。

ただ残念なのは、せっかく意を決して相談の労を尽くしているのに、肝心の家族が
その相談の場に参加できていないケースが多いことです。

ここでは、『争族』『相続税』『老後の生活支援』などの対策を講じるに際して、
必ず選択肢として検討して頂きたい≪家族信託≫について、
そもそも≪家族信託≫を検討すること自体が、『争族対策』等になるというお話をしたいと思います。

★遺言との違い★

遺言は単独行為、つまり自分一人で勝手に作ることができます。

したがって、冒頭で述べました通り、税理士や司法書士等には相談するけれども、
配偶者や子供など身近な家族に一切相談せずに作成する方も少なくありません。

本人が亡くなってから初めて遺言の内容を知って困惑する遺族も少なくありません。

一方、家族信託は、原則単独ではできず、必ず託す相手(受託者)が存在します。

現在自分がどんな財産を持っていて、それを今後どのように消費又は運用し、
最終的に遺産を誰に渡したいか、これらについて受託者となる子に伝えなければ、
そもそも最適な家族信託の設計・検討はできません。

また、託す相手が、例えば長男でも、配偶者や他の子供には内緒で計画を
実行することも好ましくありません。
受託者とならない他の家族全員も参加した話し合いの場(家族会議)で、
家族信託という選択肢を含めた方策の検討がとても大切な工程だと言えます。

家族信託は、まだ世間一般にはなじみの薄い最先端の手法ですので、
家族全員が同じレベルの情報と正しい理解を共有するところが出発点です。

★家族会議の効果★

『相続』は、遺す側と遺される側の“想い”が一致するのが理想的であり、
両者の想いを擦り合わせる作業が大切です。
また、“老い支度”や“終活”も、それを支えるべき家族等とご自身の≪想い・希望≫を
共有しておかなければ、本来安心できる老後は構築できません。

その意味で、前述のとおり『家族会議』の開催を前提とする家族信託は、
その設計・検討段階においても大きな意味があると言えます。

結果として家族信託を実行する(信託契約を締結する)かどうかは大きな問題ではなく、
老親が元気なうちに、老後の財産管理・生活支援の体制づくりと
その先の資産承継について、家族全員が専門家を交えて話し合うことができれば、
円満円滑な相続・事業承継の施策は、峠を越えたと言っても過言ではありませんし、
そこにはもはや“争族”の火種はほぼ解消できているのではないかと考えます。

家族で話し合いの場を設ければ、逆に子供同士の喧嘩が始まることを心配される方がいます。
ただ、そのような家庭は、話し合いの場を設けなくても必ず揉めます。

そうであれば、親の目の前で喧嘩をさせ、それを目の当たりにして、
「やはり親が決めておくべきだ」という想いに至れば、それもまた争族対策の第一歩になり、
危機感・使命感をもって遺言や家族信託を検討頂くことができるでしょう。