遺言代用信託とは

遺言代用信託とは

“遺言”と同様の機能(資産の承継先の指定等)を持たせつつも、「契約」により信託を設定する仕組みを「遺言代用信託」といいます。文字通り“遺言に代わって用いられる信託”というスキームです。

委託者が生存中の当初は、自らを受益者として信託契約の効力を発生させた上で、委託者が死亡した時に、指定した者(特定の相続人や第三者)に、信託の受益権を承継させる仕組みです。

遺言代用信託は、信託受益権の承継先に、高齢・障がい・病弱・身体不自由・判断能力低下等により自ら財産管理できない親族(配偶者や子、孫)等を指定することで、その方の生活・扶養・介護・療養等のための財産管理の仕組み(=“福祉型信託”)として、成年後見制度と併用したり成年後見制度に代わり利用することで非常に有効に活用できます。

また、何世代にもわたる資産承継や複雑な親族関係における資産承継の道筋を設計できるという“後継ぎ遺贈型受益者連続信託”(信託法第91条)も、遺言信託と同様に設定可能です。

なお、遺言代用信託は、遺言信託と違い(遺言信託は委託者の死亡時に効力が発生する)、信託契約締結の時より効力が発生します(このため“生前信託”とも呼ばれています)。
また、委託者死亡後の受益者は、信託契約に別段の定めがない限り、委託者が死亡するまでは、受益者としての権利及び義務は一切有しないこととなります。

遺言代用信託の具体的な活用例

遺言代用信託も遺言信託も、遺言によるか契約によるかという違いだけで、自分亡き後に遺される大切な方のための財産管理・生活保障に活用できます。

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